好きですけど、なにか?

常になにかのヲタでいたい。今はジャニヲタです。

「アイドル」の読み方ー混乱する「語り」を問う を読みました

香月孝史さんの『「アイドル」の読み方ー混乱する「語り」を問う』を読みました。

ジャニーズに興味を持つようになって、アイドルとは何か、ジャニーズとは何か、を考えることがあります。
残念ながらここで捉えられるアイドルとは女性アイドルのことを指すため、ジャニーズについては触れられていません。(筆者も冒頭で説明済み)
ただ置き換えて考えることは十分に出来る内容でしたので、頭の中ではずっとジャニーズの姿が浮かんでいました。

以下面白かったポイントを挙げていきたいと思います。

・アイドルの主体性

ジャニーズにググッと興味を持っていかれたのは、SMAPです。NHKのプロフェッショナルという番組で彼らが特集されていて、東日本大震災の被災地での活動や、北京でのコンサート開催までの裏側を追うものでした。
それまでわたしはジャニーズというものをナナメに見ていましたが、コンサートの演出を香取さんが行っているのを見て驚き、その時から彼らの見方が180度変わりました。
これはそれまでわたしが、アイドルというものを「主体的な自己表現の欠如」(68ページ)があるもの、として捉えていたということです。
ジャニーズやアイドルに対して、ナナメに見てしまう方の多くには、まだこういう視点が存在しているのだろうと思います。
嵐のコンサートでは松本さんが演出を担当していますが、冒頭のMCでは「俺たちが◯万人幸せにしてやるよ!」という恒例の台詞があります。これは単なる観客へのリップサービスではなく、自分たちが一から作り上げてきたからこそ言えて、かつ重みのある、一種の自負なのだと思います。

 

・アイドルを選び取る
本書では、女性アイドルの現状として、「活動の場を作りさえすれば、「アイドル」というジャンルに参入する機会は大きく開かれ、パフォーマーとして「アイドル」というジャンルを選び取ることが容易になった」(91ページ)とされています。
確かに女の子が可愛い服を着て歌って踊れる場に出てきて、「アイドルやってます」と言っても、なんとなく受け入れられそうな気がしてしまいます。つまりそれだけアイドルの裾野が広がったということなのだと思います。

ただこれをジャニーズに置き換えるのは簡単ではありません。

男性アイドルとしてイメージされるジャニーズ所属のアイドルは全て事務所社長のジャニーさんによって選ばれた存在です。男性アイドルにはなれるかもしれないけど、ジャニーズの一員になることは簡単ではありません。

かつてアイドルは選び取られるものでしたが、良くも悪くもそうした古い慣習がジャニーズの良さであり、ジャニーズブランドを確固たるものとして存在させているのだと思います。

少し話がズレますが、SMAPの解散騒動もあって、最近では事務所の体質や今後の展開が問題視されていますが、ジャニーズの終焉は確実に起こると、わたしはいくつかのジャニーズ関連の書籍を読んで思いました。
それはジャニー喜多川という才能がなくなる、その時です。ジャニーズ事務所は彼の思想と志向、才能ありきで存在しているものなので、その継承が出来なければ、確実に終わるだろうと予測されます。
その時、ジャニーズアイドル自身はどう生き残るのか、彼らを裏でサポートする側はどうプロデュースするのか。そして新たなジャニーズアイドルをどのようにして生み出していくのか。

そしてそれを迎え撃つ側には、自らアイドルを選び取った男性アイドルが存在しているかもしれないのです。
ジャニーズは遅かれ早かれそういった視点を持って次の一手を考えていくべきなのではないか、と感じています。

 

・アイドルとライブ
AKB48が「会いに行けるアイドル」を打ち出したことでアイドルは身近なものになりました。どうやら女性アイドル界隈では、アイドルとしての表の姿だけでなく、個人としての裏の姿をも含めたパッケージとして売り出すことが多いようです。
そうした生身のアイドルに触れられる場所が「現場」であり、観客にとってはアイドルと時間を共有できる場であるとともに、「双方向な場と考えられている」(140ページ)と指摘しています。

これはジャニーズにとっても同様です。
現在最もチケットが取りにくいと言われている嵐のコンサート。Twitterでは「当選祈願」としてコンサートチケットの獲得を願うファンが多くいます。
これは生の嵐に会いたいから、一緒の時間を共有したい、ということの表れであることは間違いありません。
加えてコンサートは双方向のリアルタイムなコミュニケーションを可能にしてくれる唯一の場です。コール&レスポンス、ファンサはその主たるもの。アイドル性が高まれば高まるほど、「現場」の重要性が強くなるのかもしれません。

わたし自身、コンサートへの参加に熱心ではないので、当選祈願ツイートを不思議な気持ちで見ることが多かったのですが、多くの人にとってコンサートへの参加が命題になっているのは、「現場」が持つこうした特徴にあるからなのかもしれません。

 


今回はごく簡単に本の感想をまとめてみました。
ご興味のある方はご一読ください。
読みやすいですし、最近の話も多いので面白いです。
そしてこの本で得たことを元に、まだまだ語りたいことがたくさんあります。

個人的に、購入してから半年以上読まずに積んでいました笑
それをなぜこのタイミングで読んだのかというと、最近Twitterで愚痴垢と呼ばれるものに遭遇したからです。
愚痴垢とは、特定のアイドルに対する愚痴を吐き出すためのアカウントのこと。ここにわたしはアイドルという言葉が含む多様性があるのではないだろうかと思っています。

次回「アイドルに愚痴を吐く、ということ」に続く。