好きですけど、なにか?

常になにかのヲタでいたい。今はジャニヲタです。

アイドルに愚痴を吐く、ということ

最近Twitterで愚痴垢というものを見かけます。
表垢と呼ばれるメインのアカウントでは、フォロワーなどの反応を考慮して呟けない、ネガティブな内容を呟くために新たに作られていることが多いアカウントのことです。

わたしは人のそういう黒い部分を見ると、人間臭さがあっていいなぁ、と思うことがあるので、時間がある時はそういった呟きを好んで見ることがあります。
中にはもちろん、罵詈雑言も多くて、見るに堪えないものもありますが。

現在熱をもって応援している嵐についても、愚痴垢が存在しています。
その存在を知ったときは正直驚きました。
これだけ様々な媒体で活躍し、日々彼らの仕事ぶりを見て、元気をもらうことができているのに、愚痴を吐くことなんてあるのか、と。
個人的な印象でしかありませんが、愚痴の種類として一番多く見受けられるのが、メンバーの熱愛報道について。次にJaponismコンサートでのファンサ問題。ほかコンサートにおける言動に対する不満などなど。

あれだけの規模のFCのことを考えれば、さまざまなファンがいて、いろいろ思うことがあっても当然だな、と思います。
中身を見れば「あぁ、なるほど」と頷ける指摘をされている方もいます。
一概に愚痴垢のすべてを悪とみなすことはできないとは思いますが、そもそもなぜ愚痴を吐かねばならないのでしょうか。

自分なりにその答えを探すべく、香月孝史さんが書かれた「アイドル」の読み方という書籍を読みました。感想については以前記事をアップしていますので、気になる方がいらっしゃればそちらをご覧ください。
重ねてになりますが、こちらの書籍では女性アイドルについて書かれていますので、男性アイドルについてはほぼ言及されていません。ですが、「アイドル」とは何か、を知る上では大変参考になる内容でしたので、ここでの内容を元にして以降自分の考えを述べたいと思います。


「アイドル」という言葉は、本当にたくさんの意味を含んでいます。本の中では3つに分類されているので、それに則って考えていきます。
①「偶像」という辞書的な意味のアイドル。
②「魅力」が「実力」に勝るものとしてのアイドル。
③ジャンルとしてのアイドル。

すごく簡単に言ってしまうと、愚痴を吐くアイドルファンは、アイドルを②もしくは③として捉えているのではないかと思うのです。

なぜなら「idol」という「偶像」や「崇拝」の対象となるものに対して、愚痴を吐くことは、まずありえないからです。
例えば神様や仏様を大切にする人がそこに向かって「クソ野郎」なんてどう考えても言わないでしょう。
つまりそういったものに対して愚痴を吐かねばならない状況って、それはもう信奉者としての視点や役割を失っているのでは、と思うわけです。

辞書的な意味合いをもって「アイドル」を解釈した場合、アイドルに対して愚痴を吐く人は、アイドルを偶像視・崇拝する対象として捉えていない、ということになるのではないでしょうか。

逆の視点からも見てみます。
例えば②「魅力」が「実力」に勝るものとしてアイドルを解釈した場合。何を魅力に感じるかは人それぞれですが、その魅力が何らかによって損なわれた場合、アイドルとしての存在はどうなるでしょうか。魅力=容姿と考えれば、老いなどによる容姿の変化を受け入れられなくなった場合、「わたしは彼の容姿に惹かれていたんだ」と解釈ができます。

それから③ジャンルとしてのアイドル。この場合、アイドルは恋愛禁止、という方程式が暗黙のルールとして受け入れられているように思います。ルールとまではいかなくても、せめてプライベートの恋愛事情は隠してほしい、というように、ファンにとってアイドルの恋愛はできれば見たくないもの、という空気があります。これはアイドルというジャンルに限ったことではありませんが、アイドルは疑似恋愛体験の対象として扱われることが多くあります。


なぜアイドルに対して愚痴が出てしまうのか。
それはわたしの好きなアイドルが、アイドル像から、離れてしまっているから。
多様な解釈を可能にしてしまう「アイドル」という括りのせいで、個々人が抱く「アイドル像」は上述するようにバラバラ、かつその中でも濃淡があり、それゆえアイドルに対する期待も違う。
だから愚痴を吐くファンがいるのも、お花畑と呼ばれるファンがいるのも、それ自体はごく自然なことなのだと感じました。ただし度を超えた愚痴、誹謗中傷レベルのものについては、看過できるものではないと思っています。それはそれで①スタンスの過激派に近いような気もしますので、アイドルを応援するって結構難しいことなのかもしれません。


ざっくりとアイドルに対して愚痴を吐くことについて、まとめてみましたが、ここからは嵐に対して向けられている愚痴の内容について、ちょっと自分なりの感想をまとめておきたいと思います。
ちなみにですが、わたしは①寄りの考えでアイドルを見ていることが多いので、嵐が提供する様々なものをありがたく受け取りますが、その中でも取捨選択はしているので、お花畑として見られても、茶の間ファンとして見られても、おかしくない立場であると思ってます。

まず恋愛に関する報道ですね。
はっきり言って張本人のお二人には、アイドルというより、仕事をしている社会人として残念だなぁという感想を持ってしまいました。表舞台(テレビやコンサート)ではもちろんきちっと仕事をなさっているように見て取れるんですが、あなたの仕事はそれだけじゃなかったんだよ、と言いたくなってしまいます。仕事にプライベートを挟まないこと、周囲の人間にも自分の立場を理解してもらい、その上での行動を促すこと。これを努力義務とするのか、仕事とするのか、そこは個人の判断ですが、残念ながらお二人にはそういった考えがなかったのだろうと思います。
加えてお相手とされるそれぞれの女性のほうも、ほかの女性から見て叩かれる要素を持ったタイプだったというのも、大きいでしょうか。

すごく雑な感想で申し訳ないですけど、メンバー二人ともが恋愛が仕事の出来不出来に直結するタイプなんですね。彼女が出来たことで感性が働き、創作意欲が沸いてくる。ファンにとって、お二人の才能やセンスに触れる瞬間が、最も嫌な出来事を思い出す瞬間になってしまったことは、残念で仕方ありません。


次にファンサ問題。
嵐さん、何やってんですか!と言いたい。
①寄りのファンのくせにそれは言うのかよ、と思われても仕方ないですが、これは少々残念です。拝めるだけでもありがたいというのは本当にその通りなんですけど、配慮に欠けた行動のように思います。まぁ、嵐の皆さんも人の子なので、自分たちになついてくれている人が見に来てくれていたら、ついつい気合入っちゃうのかもしれません。今のところそういう話はこれしか聞いていないですが、たった1回の出来事をこんな風に問題にされるとは正直想定していなかったのではないかと思います。ただ周りにも同じだけ、それ以上の想いを持った人たちがいたのだから、ねぇ・・・
耳の痛い話になってしまうかもしれませんが、ファン心理も気に留めておいてほしいところです。


最後にコンサートなどでの言動について。
これは上述した2つのことと重ねて語られることが多いように思います。昨今の嵐のファンに対する態度に水面下で不満を感じる人が多くいて、それが上2つの問題とも重なって一気に爆発した!といった感じでしょうか。
わたし自身は①スタンスのため、ライブ行けなくてもFC会費やCD・DVDを買うのはお布施、お客さんと呼ばれても呼称にこだわったことがないので気になりません。
ですが年数や入れ込み具合で嵐に対する感情は人それぞれです。「長年応援してきたのに・・・」「これだけ好きなのに・・・」という思いから、今の嵐が自分にとって不誠実に見えてしまうのは仕方ありません。
じゃあ簡単に切り離せるかというと、そうではない。費やしてきた想いや時間やお金や、たくさんのものを手放すことは簡単ではないですしね。
ここは自分のアイドルに対するスタンスを明確にしておくことで、少しは緩衝されるような気がします。

個人的な話になりますが、表現や芸能の場で舞台に立つ本人が「ファンのおかげ」などと公言することがありますが、あれ、あまり好きになれないんですよね。
確かに応援してくれることで活動が続けられているという面もあるかと思いますが、何よりもその本人が「やりたいと思うことをやり続けた結果」が全てなんじゃないかなぁと思うんです。
卵が先か鶏が先か、みたいな話になってしまいますが、アイドルとファンの関係性は相互依存しつつも、元をたどればアイドルがアイドルを選択したこと・選び続けたことが全ての始まりです。

まぁたとえ本人がそう思っていても表立ってそんなこと言えませんけどね。だけど何から何までファンのおかげ、とリップサービスみたいに言うのはちょっと違うんじゃないかと。
ファンとしても相互依存の関係に浸かるのではなく、アイドルの選択に敬意を持つことを忘れてはいけないのでは、と思うのです。




愚痴垢を見ながら、わたしは改めてアイドルの尊さを実感しました。
ポジティブな眼差しも、ネガティブな眼差しもあるなかで、いつでも輝いていなければならない存在として、人前に立つことを求められているのです。

これを尊いと言わずしてなんと言うべきか。

愚痴を吐くことはスタンスの違いだとしても、その裏での努力を理解した上で前向きに応援していきたいものです。